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レポート

いい建築とは何か

  • 2022年11月10日
  • コラム

わたしたちは日頃から何気なく”いい”というフレーズを使います。

いい歌だなとか、いい車だねとか言うわけですが、この”いい”というのがどういうことか、

答えるのは以外に難しいものです。

こと作り手からすれば、お客さまの要望は人それぞれなので、何をもって“いい”とするのかは、お客さま次第なのです。ただ、だからこそ作り手は何が”いい”かをはっきりさせておかないと、一貫した仕事ができなくなります。「お客さまの要望にあわせているので、毎回全く違うものが出来上がります」では、依頼するお客さまは困惑してしまいます。

では、われわれが考えるいい建築とは何か。

それは、相続人・承継人に喜ばれる建築です。

継承がしやすい資産と言いかえてもいいかもしれません。

ただ、これには根源的な問題があります。

それは、建築は誰のために作るべきかということです。

お客さまは通常、今と直近の未来のために建築を計画しますが、建築を使う時間は、30年以上はあるので、確実にお客さまの想像できる時間よりも長くなるのです。この場合、建築の評価は新築時点でするべきか、30年経過時点でするべきか、どちらにすべきでしょうか。

われわれの考えは明確に後者、30年経過時点で評価すべきとなります。

30年が経過すれば、オーナーの年齢も30上がっているので、相続について考えなければなりませんし、その中で売却するか改修して使用し続けるかの検討も必要になります。

そういった状況をあらかじめ想定し、困らないように設計に織り込んでおくこと、

これがわれわれの考える設計計画です。

したがって、前段の問い「建築は誰のために作るべきか」に対する答えは、

「未来の自分または承継人のため」となるわけです。

いい建築とはなにか、それは未来の自分が困らないように配慮されている建築ではないでしょうか。